年の瀬も迫り、今がお過ごしだろうか?新年を迎える波動を受信しているのか、家の中を奇麗にしたい気持ちが湧いてくる。特にお風呂場、台所はいつも使う場所なので念入りに。
教室業務は、商売やサラリーマンの方は、12月というとお得意先や仕事関係で、忘年会が多いらしく、レッスンの予定を取るのが大変なのだが、クリスマスも過ぎたある日、蒲田のK君のサックスレッスンを大森駅の駅ビル内にあるカラオケ店で行っていた。
体格の良いK君、ちゃんと言われたとおりにサックスの音作りを学び、ファットな艶のある音に育ってきた。
J.ゴールゥエイ氏も言っているが、30分以内に生徒の音に変化が無かったら、その人はお金をいただいてレッスンをするべきではないという言葉がある。
生徒は言われた通り実行して、良い音を作っていくべきなのだが、正確に現状を把握して問題点を指摘し正しく導くのは教師の役割なのである。
K君のように目に見えて音がよくなっているのは、嬉しいことだし、何よりいい音を聞くのは生理的に気持ちがよいのだ。
何年も前に、どうしても音がよくならない生徒を粘り強く教えていて、結局いい音にならなかったことがあったことを思い出す。よくあのひどい雑音に、相手を殴りもせず耐え抜いたものだ。
あの時は、自分の粘り強さを良いことだと思っていたが、今なら解かる。彼は一切練習しなかったのだ。レッスンで僕のパーフォーマンスを楽しんでいただけだったのだ。自分の不明を恥じるとともに、今ならすぐに見抜いて途中でお断りをして退場して頂くだろう。
さて、K君のレッスンは、今回は都合で1.5時間。僕の教室では、サックスの生徒さんにもピアノを弾いてもらうのである。簡単なコードで、フライミーの8小節を弾いてもらう。
ギター経験者なので、和音に抵抗がなく、時に感じる、江戸時代の人に、新幹線や携帯電話、インターネットなどを説明しているような、空回りするような違和感もなく(笑)ハーモニーの概念を持っているのは素晴らしい。現代人同士の会話が成立(笑)。
曲は、ハービーハンコックの、cantalope Island。この曲はコードが3つしかなくブルースの気分が味わえる曲なのだ。
ハービーハンコックのウオーターメロンマンとは、かの昔奴隷労働に従事していた黒人は、食料として、安価なスイカを与えられたという。cantalopeとは洋ナシのことで、ハービー一流の洒落か皮肉なのだろう。
この曲の伴奏を流して、僕がブルース感覚あふれる泣き叫ぶようなソロを吹くと、先生、カッコいいっすと素直に喜ぶK君。
実は世の例にもれず、高齢化が進む当教室は、50代以上男がほとんどなのだが、彼は唯一の30代。
若い人たちにとっては、慣れ親しんだアニメソングも、ゲーム音楽も、Jpopもいいが、洋楽でジャズ、ブルースも楽しいんだよということを若い人に知ってほしい。子供向けの駄菓子の味だけではなく、世界の一流の味も知っているといいよということ。
Kくんが、自分もかっこいいブルースフレーズを吹きたいというので、ブルース音階とその練習法を伝授。
僕は、何十年もかけてジャズ音楽の伝統を体験し学んできた人間なので、世界に、後世にそれを伝えるのが自分の使命とおもっている。だから少しでもそれが伝わったときはやりがいと充実を感じてとても嬉しいのだ。
究極は、そこにいるだけで、音楽や人間として何かを伝えられる人間が目標。
コロナで自分を含めイベント関係音楽関係の人たちは、息の根を止められてきたが、一般の音楽愛好者も発表、発散の場所を禁止されてきた。でももしちゃんと自分の脳味噌があるのなら、テレビ新聞を鵜?みにしないでデータを自分で読み取って解析してもらいたい。実際の死者や重傷者数を見て、自分や子供までマスクする必要があるのか考えてもらいたいものだ。
どんな状況でも、音楽を楽しみたい、演奏したい、歌いたい踊りたいという思いを殺すことは無いし、できないと思う。
緩やかにだろうが、コロナ騒動は日本では収束に向かうと思う。どんなウイルスも必ず終わってゆくのは通例だから。その時に何をやってゆくのか?
僕はやはり自分の道を行きたい。
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